2015年1月20日火曜日

My Recommendations No.39 「風に立つライオン」

小児歯科学分野教授の岩本勉先生が,ご推薦図書「風に立つライオン」(さだまさし著 / 幻冬舎)の書評を書いてくださりました。岩本先生,ありがとうございました。



それではご紹介します。

 長崎出身の私にとっては、さだまさしさんは尊敬するシンガーソングライターの1人です。徳島の皆さんにとっても、徳島が舞台となった「眉山」という小説や歌を書かれた方ですのでファンの方もいるのではと思います。今回紹介する本はちょっと学術的ジャンルではありませんが、そのさだまさし著の「風に立つライオン」という小説です。元々は私も好きな同名の楽曲があり、それをもとにした作品で、近いうちにこの映画が公開されるそうですので、興味をもって読むことができるかもしれません。
 長崎大学の医学部には熱帯医学研究所という研究所があり、そこで勤務し国際医療ボランティア活動に従事された実在の医師の話に感銘を受け作られた作品です。アフリカは大自然と人が共生する豊かな国土という印象がありますが、その一方で、内戦等の戦争で危険という印象もあると思います。元々、氏族社会の遊牧民や動物達には国境の概念はなく暮らしてきたそうですが、欧米列強といわれる時代から利権争いが生まれ、国境ができ、内戦が絶えなくなってきたと言われています。本作品はケニアに赴いた医師の生き様を通し、戦火の中の子ども達の姿、途上国や僻地での医療、東日本大震災の被災地、それぞれにある心の繋がりと医師という職業の尊さ、命の尊さが深い表現力で描かれています。ちょっと立ち止まり読んでみては如何でしょうか。




今日から1階ホールに展示していますので,ぜひご覧ください。