2016年1月22日金曜日

My Recommendations No.67,68,69 「試験は暗記が9割」,「東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方」, 「世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業」

2016年最初のMy Recommendationsは,附属図書館長,吉本勝彦先生(分子薬理学分野教授)がお寄せくださいました。吉本先生,いつもありがとうございます。

おすすめくださいましたのは,学生のみなさんにぴったりの,こちらの図書です!

My Recommendations No.67
『試験は暗記が9割』
(碓井孝介 / 朝日新聞出版)

それでは早速,書評をご紹介しますね。

「嗅(か)いで視(み)る、動(うご)く車(くるま)の三(さん)の外(そと)、顔(かお)聴(き)く咽(のど)に迷(まよ)う副(ふく)舌(ぜつ)」、脳神経の暗記法だ。医療系学部では膨大な暗記量が必要とされ、各自工夫して暗記している。本書は単なる語呂合わせによる暗記法のみならず、試験一般に対応可能な暗記法について解説している。

 内容のうち共感できる部分を以下に示す。

  1. 頭文字を並べて覚える。
    例として、意識障害の原因としてのアイウエオチップス(AIUEO-TIPS)(米国ではAeioutipsが一般的)を挙げる。

    A:Alcohol(アルコール)、 I:Insulin(高・低血糖)、 U:Uremia(尿毒症)、E:Encephalopathy(脳症)、 Epilepsy(てんかん)、 Electrolytes(電解質異常)、 Endocrinopathy (内分泌疾患) 、 O:Opium (麻薬) 、T:Trauma (外傷)、Tumor (腫瘍) 、 I:Infection (感染) 、 P:Psychiatric(精神疾患), Poison(毒物)、S:Shock(ショック)、Syncope(失神)、Stroke(脳卒中)、SAH(くも膜下出血)  

    頭文字が各情報を思い出すきっかけとなる。
     
  2. 情報の個数を覚えて過不足なく思い出す。
  3. 声を出して自分自身に説明し、自分自身に質問する。
  4. まずは原則を覚える。原則からはみ出た情報を例外として覚える。
  5. 問題演習を行う上で大切な事は解説を覚える(解説を読んでもわからない場合は他の教材で調べ余白や関連ページに情報を書き込む)。
  6. 思考メモで記憶の入り口を増やす。授業において大切な情報はもちろんのこと、雑談など一見すると無駄と思えることまでもメモすると、長期記憶に役立つ。
  7. 普段から目にするところに勉強のための紙を貼る。紙に目がいく度に思い出す、説明をする(東進ハイスクール英語講師の安河内哲也氏は、100 個程度の英単語を書き出した紙をトイレや勉強部屋の壁に貼り、1日1回、単語を見ながら意味を答える、答えられないものにチェックを入れるという繰り返し訓練を推奨している)。
  8. 優秀な受験仲間をつくり切磋琢磨し合える関係を築く。

 単なる丸暗記では決して良い成績を取ることはできない。次のステップとして他にどのように応用できるか、想像力をふくらませて知識を身につける必要がある。さらに、余裕ができれば、「どのような経緯を経て概念が確立されてきたのか」、「この現象はどのような機構で起こるのか」など考えてみよう。実力が一段とアップすること間違いなし。
「考え抜く力」を身につけるためには、”東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方 (上田 正仁著、ブックマン社、2013年)”、 ” 世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業 (狩野 みき著、日本実業出版社、2013年)”を一読することを勧める。


My Recommendations No.68東大物理学者が教える「考える力」の鍛え方』も併せて,本日より蔵本分館1階ホールに展示しております
My Recommendations No.69 「世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業」は現在発注中です。もうしばらくお待ちくださいね。

試験対策などに,ぜひご覧ください!

sm