2016年8月23日火曜日

第49回テーマ展示「救急」

来月,9月9日はその語呂合わせから「救急の日」です。「救急の日」は,救急医療関係者の意識を高めるとともに,救急医療や救急業務に対する国民の正しい理解と認識を深めることを目的として,昭和57年(1982年)に厚生労働省によって定められた記念日です。この日を含む1週間は「救急医療週間」(平成28年は9月4日から10日まで)と位置づけられ,各地で様々なイベントが実施されます。

そこで蔵本分館でも,今回のテーマ展示はこの日にちなみ,テーマを「救急」とし,救急医療関連の図書・雑誌を展示しています。監修は救急集中治療医学分野教授,西村匡司先生にお願いしました。

今日の社会において,人々の安心・安全な暮らしのために救急医療は欠くことのできない大変重要な仕組みです。それゆえ,抱える課題も多いと言えるのではないでしょうか。
高齢化の進展などに伴って年々増加し続ける救急搬送,受入先の問題,大規模災害時の医療体制などは,社会全体で取り組んでいかなければならない問題です。

また,かねてより指摘されていますが,救急医療の現場で働く医療従事者の人材不足も,未だに解消されているとは言い難い状況にあります。
あらゆる診療科にわたる救急患者の初期診療を行う医療現場では,総合的,かつ各分野を横断する知識と技術,スピード感が求められます。救急医療はチーム医療でもあるので,その場で指揮を執る医師にはリーダーシップやコンサルテーション能力も必要となってきます。
この分野のスペシャリストである救急科専門医は,現在4,302人を数えますが(平成28年1月時点),それでも必要とされる人数には遠く及ばないのが現状です。
しかし今後も,救急科専門医が活躍を期待される場はさらに広がっていくものと思われます。

この機に,社会の一員として,また医療に携わる立場から,様々な角度で救急医療と,その将来について考えてみませんか?
蔵本分館1階ホール,テーマ展示コーナーにぜひお立ち寄りください!

*第49回テーマ展示「救急」展示資料リスト


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